これまでに「生態系配慮の技術指針」「景観配慮の技術指針」などの環境配慮に関わる技術解説が策定され、農業農村整備事業における環境配慮の調査計画・設計・実施に適用されていますが、現場レベルでは、生態系や景観などの個別の環境要素への配慮対策の実施において、地域の課題にかかわらず、生態系または景観のどちらか一方の配慮対策の実施に偏る傾向があります。
また、地域における主体的な取り組みを実施するための合意形成や組織形成に至らず、特に環境配慮施設の整備後の維持管理や施設利用が課題となっている例も少なくありません。 加えて、国営事業と比較すると地方自治体により実施される都道府県営、市町村営などの事業では、短期間、低予算という制限のため環境配慮の取組み事例が少ない傾向がみられます。
こうした環境配慮対策に関わる諸問題を踏まえ、(社)地域環境資源センターでは、有識者からなる「総合的な環境配慮技術開発研究部会」を組織し、生態系配慮と景観配慮との統合ならびに対策の検討、実施における住民参加の促進を図るための計画手法を検討し、ランドスケープアドバイザリー会議(LSAG)中央委員会にて「総合的な環境配慮ガイドライン」ならびに、ガイドラインの副読本として地域住民による環境配慮の取組を支援する「住民参加型直得施工による環境配慮施設の整備マニュアル」を策定いたしました。
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総合的な環境配慮ガイドライン(PDF) | 直営施工マニュアル(PDF) |
目 次 | 目 次 |
導入編 農業農村整備事業における環境配慮対策の目的 環境配慮対策の質を高めるための検討、作業の進め方 1.段階的な合意形成を仕掛ける 2.代表者レベルから検討段階毎に参集する対象を広げていく 3.タタキ台をもとに地域とのキャッチボールで検討を進めていく 環境配慮対策を進める上での実践課題と打開策 環境配慮対策に関係する主体の役割と取組の留意点 本編 第1章 総合的な環境配慮ガイドラインの目的と活用 第2章 総合的な環境配慮の基本的な考え方 第3章 事前準備及び調査 第4章 構想計画づくり 第5章 実施設計と施工 第6章 利用と管理 添付資料 申送り書(コミュニケーションシート) |
導入編 Ⅰ.はじめに Ⅱ.実施の流れ 実践編 Ⅲ.整備方法 木工事 ・「水盛り」と「やり方」・杭うち・連結 組積工事 ・石積みと石張り 水路壁の付帯施設 ・階段/親水装置・木製流路工・じゃ籠 ・木製グレーチング 管理道/土砂流出防止柵 ・木道/管理道・カーブ設置工・丸太筋工 共通付帯施設 ・花壇・ロープ柵・木製案内板・丸太階段工 ・落下防止柵・パーゴラ・東屋 等 |
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