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    東北地方太平洋沖地震による被災地への応援派遣について
    ~現地の被災状況と応援派遣の作業状況 ~


     平成23年3月11日14時46分頃、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の巨大地震が発生し、この地震により、宮城県、福島県、茨城県、栃木県で震度6強など広い範囲で強い揺れが発生しました。また、太平洋沿岸を中心に高い津波が発生し、多くの方々の尊い人命が奪われました。被災された皆さま並びにご家族、市町村に対しまして、衷心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
     社団法人地域環境資源センター(旧地域資源循環技術センター)は、3月11日15時15分にJARUS災害対策支援本部を立ち上げ、被害状況の把握と『農業集落排水施設災害対策応援に関する協定』(以下「災害協定」という。)の協定参加者会員に対して応援派遣参加への可能性について聞き取りを実施するなど、被災地からの応援要請に迅速に対応すべく応援体制の構築に努めました。
     また、交通機関が使用可能となった翌週には、福島県・千葉県下の被災地に対してJARUS職員を先遣隊として派遣するとともに、新潟県中越沖地震を経験した新潟県柏崎市の協力を得て、農業集落排水施設の災害復旧に係る対応経緯等について、関係市町村に対する説明会を開催しました。(新潟県柏崎市申請資料一式をJARUSホームページ掲載)
     その後、千葉県香取市からの災害協定に基づく応援派遣の要請を受けて中央応援本部が設置され、千葉県香取市、福島県須賀川市、福島県白河市の3市に対して、災害協定参加者による応援部隊を編成後、約4週間にわたって延べ155人日の技術者を派遣し、13地区の管路施設の一次調査(被害状況調査等)を実施しました。
     このたびの震災は、東北地方から関東地方までの太平洋沿岸部と広域的であり、津波被害が甚大であった沿岸部地域の被災状況は未だに全貌が明らかになっておらず、加えて福島第一原子力発電所事故による影響もあり、被災地の完全復旧への取り組みは長期化することが予想されます。当センターとしましても情報提供や技術者派遣など、被災地の復興へ向けて微力ながら尽力していく所存でございます。
     まだ災害協定に参加されていない皆さまにおかれましては、本災害協定の趣意をご理解いただき、参加のご検討をお願いしたします。なお、災害協定参加による会費等の徴収はなく、応援行動への参加つきましても皆さまの自主的な判断によるものとなります。
     (H23.4.26現在の協定参加数:194団体)


    ≪千葉県香取市への応援派遣概要≫
     派遣期間: 平成23年3月28日(月)~平成23年4月1日(金)
     参加者: 7名(千葉県山武市1名、愛知県田原市2名、愛媛県西予市1名、JARUS3名)
     調査内容: 7名/班により管路施設の一次調査を実施
    ①目視確認による一次調査の要否を判定(陥没、浮上、滞水など)
    ②ミラーチェック等による二次調査(TVカメラ等)の要否を判定
    ③応急復旧または本復旧の対応措置を判定

     調査地区:下記のとおり(下記の地区以外は別チームが担当)
    地区名 供用開始 供用人口 管路延長 被災延長 調査概要 作業期間
    香北 S61.1 838人 7,900m 4,180m 全線調査 3/28~31
    阿玉台・久保 H4.7 359人 2,500m 1,159m 部分調査 3/31
    岡飯田 H6.11 464人 4,600m 764m 部分調査 4/1
    黒部川右岸 H14.4 1,086人 8,000m 358m 部分調査 4/1

     被災状況: 香取市の農業集落排水実施地区の中では、香北地区の被害が最も大きく、多くのマンホールで底部に土砂が堆積し滞水していたことから、ミラーチェックによる確認ができた路線は少なかった。なお、香北地区は水道が復旧していないものの、集排施設の使用制限は行っておらず、時間の経過とともに滞水深が上昇しているマンホールも見受けられた。


    液状化によるマンホールの浮上(香取市香北地区3/28)

    土砂堆積によるマンホールの滞水(香取市香北地区3/28)


    ≪福島県須賀川市への応援派遣概要≫
     派遣期間: 平成23年4月3日(日)~平成23年4月8日(金)
     参加者: 9名(長野県箕輪町2名、新潟県柏崎市3名、JARUS4名(内2名は4/5まで))
     調査内容: 7~9名/班により管路施設の一次調査を実施
    ①目視確認による一次調査の要否を判定(陥没、浮上、滞水など)
    ②ミラーチェック等による二次調査(TVカメラ等)の要否を判定
    ③応急復旧または本復旧の対応措置を判定

     調査地区:下記のとおり(下記の地区以外は別チームが担当)
    地区名 供用開始 供用人口 管路延長 被災延長 調査概要 作業期間
    滝田 H6.4 762人 11,900m 13,629m 部分調査 4/4
    今泉 H17.4 787人 8,300m 8,448m 部分調査 4/5
    大久保 H5.6 1,298人 15,200m 17,988m 全線調査 4/6~7
    ※4/3は調査前打合せを実施、4/8は調査票および調査図面の整理を実施

     被災状況: 須賀川市の農業集落排水施設の被災状況としては、畑田地区と大久保地区の被害が大きく、そのうちの大久保地区の調査を災害協定に基づく応援チームが担当した。中にはマンホールの連続浮上や歩道全体が崩落している路線もあり、マンホール蓋の開閉作業が困難であったほか、かなりの危険を伴った。被害の傾向としては、液状化によるマンホール浮上が7割程度で、残りが地形変動などの影響によるものであった。


    液状化によるマンホールの連続浮上(須賀川市大久保地区4/6)
    歩道崩落によるマンホールのズレ(須賀川市大久保地区4/7)


    ≪福島県白河市への応援派遣概要≫
     派遣期間: 第一班 平成23年4月11日(月)~平成23年4月15日(金)
    第二班 平成23年4月18日(月)~平成23年4月20日(水)
     参加者: 第一班 8名(山形県鶴岡市2名、和歌山県有田川町2名、青森土連2名、JARUS2名)
    第二班 9名(新潟県阿賀野市1名、福井県高浜町2名、和歌山県有田川町3名、
    愛媛県西予市1名、JARUS2名)
     調査内容: 6~9名/班により管路施設の一次調査を実施
    ①目視確認による一次調査の要否を判定(陥没、浮上、滞水など)
    ②ミラーチェック等による二次調査(TVカメラ等)の要否を判定
    ③応急復旧または本復旧の対応措置を判定

     調査地区: 下記のとおり(下記の地区以外は別チームが担当)
    地区名 供用開始 供用人口 管路延長 被災延長 調査概要 作業期間
    豊地 H9.12 784人 11,200m 790m 部分調査 4/11~12
    下小屋 H5.12 698人 7,100m 500m 部分調査 4/13
    隈戸 H11.12 341人 5,400m 450m 部分調査 4/13
    下新城 H2.10 742人 7,300m 200m 部分調査 4/13
    あぶくま H14.4 1,947人 3,500m 1,630m 部分調査 4/14~15
    釜子 H6.4 1,168人 9,400m 2,320m 部分調査 4/18~20
    ※4/19は調査票および調査図面の整理を実施

     被災状況: 白河市での一次調査の実施にあたっては、緊急点検により被災が確認された路線を対象とし重点的に調査作業を行った。既に応急工事が施されている路線も多く見受けられたが、被害が大きい路線では管路埋設部が数十メートルにわたり沈下し、バリケードにより立ち入りを禁止している区間もあった。復旧工事は国県道を先行して行う予定であることから、国県道下に埋設されている管路施設の調査を取り急ぎ実施した。


    管路埋設部の地盤沈下(白河市豊地地区4/11)
    装柱型中継ポンプ制御盤の転倒(白河市豊地地区4/12)


    【 謝 辞 】
       このたび各種資料を提供してくださった新潟県柏崎市をはじめ、『農業集落排水施設災害対策応援に関する協定』に基づく災害応援に参加していただいた市町村および土地改良事業団体連合会の皆さまには心より深くお礼申し上げます。

    一般社団法人地域環境資源センター(JARUS)
    〒105-0004 東京都港区新橋5丁目34番4号
    TEL:03-3432-5295 FAX:03-5425-2466