日本の棚田百選(平成11年7月)





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●室谷(三隅町)


基 礎 諸 元 平均勾配 団地面積
1/10 28 ha



維持・保全・利活用状況
本地域は、急峻な傾斜地で約4千枚にも及ぶ棚田を有する。
ここでは、酒米の栽培による地酒造り、並びに昼夜の寒暖差/日照時間の長い地形的特性を活かした米作りが行われ、採れた米の食味は非常に良く、地域内外の消費者より定評を得ている。
今後米作りにおいては、小ロットの不利性を逆手に取り、オーガニック栽培等による限定米としてブランド化することを目指している。
また、本地域内の集落では農業及び集落の再認識のための話し合いや、自然的遺産である大麻山と随所に点在する天然の巨石群を活かした地域作りに取り組んでおり、町内外の住民及び消費者等を対象とした棚田オーナー制度の導入についても検討を進めるなど、積極的な展開が図られているところである。

推薦項目  国土保全     景観
推薦理由 国土の保全:本地域は地滑り地帯で脆弱な土質であるが、耕作者による畦畔の修復等、地道な維持管理作業により、災害の未然防止が図られている。

景観:町内一の標高を誇る大麻山(599m)より文化遺産である棚田の全域、並びに中国山系が展望でき、また、自然的遺産である天然の巨石群を活かした地域作りが行われており、町内外より観光客が往来する。

棚 田 の 概 況 枚 数 4000 枚 水 源 河川(渓流含む)
事業導入 法面構造 土羽
開発起源 中世(平安~室町)
営 農 の 状 況 対象農家数 69   戸 10a当収量 420 kg/10a
戸当り営農規模 0.4 ha/戸        40~60  枚/戸
高付加価値農業 棚田米を有機栽培による限定米とし、ブランド化を予定。
転作作物として、広島市場で高値の取引がされている生け花用ツルウメモドキを栽培。
特記事項の有無 本地域では、平成10年度~平成12年度の3ヶ年の間、棚田地域等緊急保全対策事業を実施している。これにより圃場、畦畔、耕作道、並びに用排水路を整備し、農作業の省力化を図ると共に、新たな地域振興を模索中である。



●大井谷の棚田(柿木村)


基 礎 諸 元 平均勾配 団地面積
1/6 8.2 ha



維持・保全・利活用状況
平成10年度に地元住民で構成する「助はんどうの会」が結成され、棚田の保全と棚田地域の活性化に向けた取り組みを行っている。
昨年度から大井谷棚田地域活性化計画策定のための話し合いを進める一方、都市交流を目的とした「棚田見学会」、「第1回大井谷棚田まつり」の開催や、藩政時代にはおいしい米が栽培されることから津和野藩の献上米になっていた大井谷棚田米を「助はんどうの会」が中心となり販売を開始した。
平成11年度からは「大井谷棚田オーナー制度」にも取り組み、都市との人の交流、農産物の交流を通 して棚田に対する、理解と棚田地域の活性化に取り組んでいる。

推薦項目  景観
推薦理由 景観:大井谷の棚田は約600年前に住み着いた三浦氏によって戦国時代から藩政時代に築かれたと伝えられている。その石積みは多くが乱層積の谷積で大井谷の住民が築いたものである。その石積み棚田の織りなす美しい景観は近年広く知られ、多くの観光客やアマチュアカメラマンが訪れている。

棚 田 の 概 況 枚 数 639 枚 水 源 河川
事業導入 法面構造 石積
開発起源 近世(戦国~江戸時代)
営 農 の 状 況 対象農家数 18   戸 10a当収量 451 kg/10a
戸当り営農規模 45.5 ha/戸        記入なし  枚/戸
高付加価値農業

平成10年より大井谷棚田米として自主販売、平成11年度より無農薬有機栽培や減農薬米としての栽培基準を設けて、棚田で栽培された安全でおいしい米としての販売を行う計画である。。

特記事項の有無 なし。


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