●久留女木の棚田(引佐町) |
基 礎 諸 元 | 平均勾配 | 団地面積 |
1/5.7 | 7.7 ha |
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維持・保全・利活用状況 |
現在地域住民の共同作業により、棚田の草刈り、棚田の用水路及び農道の補修などを実施し、歴史ある棚田の保全を行っている。今後は休耕田等の棚田について、棚田オーナー制度の導入、棚田保全活動ボランティアの活動、小学生の理科・社会の教材等として、また地域にある県立観音山少年自然の家等との連携により積極的な棚田活用を行い、棚田の保全及び棚田を核とした地域の活性化の推進を目指す。 |
推薦項目 | 国土の保全 景観 伝統文化の維持保全 |
推薦理由 | 国土の保全:久留女木の棚田は地滑り地帯に属するが、地域住民による安定的な棚田保全管理によ
り大きな地滑りは発生していない。棚田の上部には昔から村人が大事に守ってきた「里山」があり、これが降雨を地面
に涵養させ、下の棚田の水源として利用されている。更に棚田は下流域に対する地下水の涵養を担っている。 景観:静岡県を代表する棚田であり、棚田の保全状態も良好なため久留女木の棚田の写 真が新聞紙上等に数多く取り上げられている。四季を通じてカメラマンや家族連れなどが数多く訪れるなど、周辺の集落及び山並みと調和した美しい農村景観としての価値が極めて高い。 伝統文化の維持保全:久留女木地区を流れる川にまつわる娘を助けた大蛇伝説を、今なお地域で「川合淵祭り」して伝承・保存し、毎年7月に祭りを行っている。また、久留女木の棚田の水源にまつわり、竜宮とつながっていた水源出口に竜宮から子供が迷ってきて、農作業の手伝いや子守をして村人から喜ばれていたが、村人がお礼に出した「たて汁」を飲んで死んでしまった「竜宮小僧」という悲しい伝説が残っている。 |
棚 田 の 概 況 | 枚 数 | 27 枚 | 水 源 | 河川(渓流含む) |
事業導入 | 無 | 法面構造 | 石積 | |
開発起源 | 中世(平安~室町) |
営 農 の 状 況 | 対象農家数 | 27 戸 | 10a当収量 | 360 kg/10a |
戸当り営農規模 | 0.29 ha/戸 29.6 枚/戸 | |||
高付加価値農業 | 切枝・・・引佐町特産の花木の切枝を棚田の一部で栽培し、引佐のブランドで有利販売を行っており今後も安定的に栽培が行われていく。 |
特記事項の有無 | なし。 |
●大栗安(天竜市) |
基 礎 諸 元 | 平均勾配 | 団地面積 |
1/3 | 8.6 ha |
推薦項目 | 国土の保全 景観 |
推薦理由 | 国土の保全:当地区は地滑り地帯に属するが、安定的な棚田保全により大きな土砂の崩壊及び地滑りの発生などは見られない。大雨時には上流に位
置する棚田が天然のダムの役割を果たし、下流域への多量の水の流出を制御している。棚田の上部には「神明山」高さ657mを有しここで涵養された水が棚田に注がれ、さらに棚田の水は地下に涵養され下流域を潤している。 景観: 当棚田は山並みと融和した美しい石積みの棚田の景観を備えている。今後地域住民で結成された棚田保全クラブを中心に、都市住民との交流を深め国土保全機能の発揮と景観形成を図る。 |
棚 田 の 概 況 | 枚 数 | 481 枚 | 水 源 | 天水 |
事業導入 | 無 | 法面構造 | 石積 | |
開発起源 | 近世(戦国~江戸時代) |
営 農 の 状 況 | 対象農家数 | 15 戸 | 10a当収量 | 480 kg/10a |
戸当り営農規模 | 0.6 ha/戸 32 枚/戸 | |||
高付加価値農業 | 現在は自家用として水稲・茶を生産している。今後、休耕田・耕作放棄地に地元住民で結成した大栗(ビッグリ)棚田クラブにより、アワ、ヒエ、キビ、モロコシ、ソバ等の栽培を行い付加価値販売をはかる。 |
特記事項の有無 | なし。 |
●荒原の棚田(天城湯ヶ島町) |
基 礎 諸 元 | 平均勾配 | 団地面積 |
1/10 | 2.0 ha |
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維持・保全・利活用状況 |
農業従事者の高齢化や後継者不足による棚田の荒廃が増加傾向にある。しかし、棚田は洪水調整機能や土砂の崩壊防止等の国土保全上大きな役割を担っている観点から、担い手農家の育成や生産体制の組織化を目標としている。 |
推薦項目 | 国土の保全 景観 |
推薦理由 | 国土保全:現在荒原の棚田は、洪水調整機能や土砂の崩壊防止等の国土保全機能を果
たしている。今後農業従事者の高齢化や、農業の後継者不足による棚田の荒廃も懸念されるため、営農意欲の高い担い手農家の育成を促進することなどで棚田保全を推進していく。 景観:荒原の棚田は昔ながらの農村の景観を有し、棚田と茅葺き屋根の民家があいまって郷愁漂う雰囲気を醸しだしている。本棚田は、平成6年度の「静岡県農村景観写 真コンクール」で最優秀賞を受賞するなど優れた景観を有している。 |
棚 田 の 概 況 | 枚 数 | 25 枚 | 水 源 | 河川 |
事業導入 | 無 | 法面構造 | 土羽 | |
開発起源 | 近世(戦国~江戸時代) |
営 農 の 状 況 | 対象農家数 | 12 戸 | 10a当収量 | 480 kg/10a |
戸当り営農規模 | 0.17 ha/戸 2.1 枚/戸 | |||
高付加価値農業 | 特になし。 |
特記事項の有無 | なし。 |
●下ノ段の棚田(天城湯ヶ島町) |
基 礎 諸 元 | 平均勾配 | 団地面積 |
1/6 | 1.5 ha |
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維持・保全・利活用状況 |
農業従事者の高齢化、後継者不足による棚田の荒廃が進みつつあるが、棚田の持つ国土保全、農村景観の維持などの多面 的機能の観点から、担い手農家の育成等による棚田の保全に努めていきたい。 |
推薦項目 | 国土の保全 景観 |
推薦理由 | 国土保全:大雨時には棚田がダムの役割を果たし、急激な河川の増水を抑制することで、下流域の災害防止を図り国土保全機能を有している。 景観:山すそに広がる下ノ段の棚田は昔ながらの農村の棚田風景を有し、地域住民及び都会の県民などに心の安らぎを与えている。 |
棚 田 の 概 況 | 枚 数 | 40 枚 | 水 源 | 河川 |
事業導入 | 無 | 法面構造 | 土羽 | |
開発起源 | 近世(戦国~江戸時代) |
営 農 の 状 況 | 対象農家数 | 10 戸 | 10a当収量 | 480 kg/10a |
戸当り営農規模 | 0.15 ha/戸 4 枚/戸 | |||
高付加価値農業 | 特になし。 |
特記事項の有無 | なし。 |
●北山の棚田(戸田村) |
基 礎 諸 元 | 平均勾配 | 団地面積 |
1/7 | 1.52 ha |
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維持・保全・利活用状況 |
地域は土地所有者が中心となり維持、保全等を行っているが、今後は地区全体による保全に努め、村でも今後遺産として保全を図っていく。 |
推薦項目 | 景観 |
推薦理由 | 景観:現存する棚田の美しさを、将来地区を担う者のために残していきたい。 |
棚 田 の 概 況 | 枚 数 | 20 枚 | 水 源 | 河川 |
事業導入 | 有 | 法面構造 | 石積 | |
開発起源 | 近世(戦国~江戸時代) |
営 農 の 状 況 | 対象農家数 | 11 戸 | 10a当収量 | 450 kg/10a |
戸当り営農規模 | 0.14 ha/戸 1.8 枚/戸 | |||
高付加価値農業 | 特になし。 |
特記事項の有無 | なし。 |