HOME > JARUSの活動 > 農村環境事業関連 > フォトコンテスト > 第4回フォトコンテスト
■第4回「私の好きな農村」フォトコンテスト |
【趣旨】 |
農村地域には、農林漁業などの生産活動と共に、緑豊かな自然、生態系、家並みや施設、その地域独特の風土・歴史文化などがあり、住む人・訪れる人々の心に"やすらぎ"や"うるおい"を与えてくれます。 これらは、そこに生きる人々によって構築され維持されてきたものです。戦後50年、こうした貴重な財産が失われたものも少なくありません。また一方では、農業農村整備の中で環境整備が行われ、新たな美しい農村空間もつくり出されてきています。 そこで、心に残る豊かで美しい日本の農村の写真を広く公募し、優秀な作品を表彰するとともに、作品集やパネルにより多くの人に紹介し、農村地域の環境整備に対する国民の理解を深め、豊かで美しい農村環境の維持・保全・形成に役立つことを期待して、フォトコンテストを実施しました。 |
平成11年3月 主催 社団法人 農村環境整備センター |
■表彰 | |
金貸 1点 銀貨 3点 銅貨 6点 佳作 19点 | |
■選考総評 |
「<私の好きな日本の農村>フォトコンテストの今回は、前年にくらべ応募者、応募点数ともにおよそ6割の増加がありました。被写体となった場所も万遍なく全国に及び、応募された写真群を通じてこの国の近影が紡がれているように思えてきました。 4回目になる今回は、農村における「水辺の環境」を主題として、そのさまざまな景観や状況の表現を期待したのですが、結果、被写体はじつに多岐におよびました。一般的な風景描写から水辺にちなんだ日常的な生活・生産活動への観察など、予想を上回るその日その時その場所の「一瞬」像が集合したわけです。「水辺」がいかに不可欠なものかということもあらためて教えられました。 ところで農村の状況と景観は多く様変わりしました。そうなってみてあらためて私たちは、<農村>がいかに私たちの自然観の源泉であったかと知らされることになっています。自然と反自然の乖離はますます進み、しかし進めば進むほど、<農村>に源をもつ私たちの自然への感性は純化し、憧憬感も秘めたものへとなってきているのだと思います。 じっさい応募された各地のさまざまな時の写真の多くには、撮影された方たちのエモーションがつよく漂っていると思えました。そういう中でも、ハッと新しい自然観がよぎるような一瞬を感じさせてくれる写真が私たちを刺激しました。 審査に際して私たちは、被写体に対した撮影者その人固有の気持ちが見えるような現実感と独自性、そしてまたただ郷愁や詠嘆にながされるのではない現在感覚に注目しました。 たとえば観光化された農村の伝統行事であっても、それを見る人のときめきのような新しい心の動きが、その行事に命を与えることになります。私は「生きられている日常」を記録する写真のすばらしさを再確認しました。 つくづく私は農村景観の深い味わいを思わせられています。さらにどれほど味わいを深められるだろうか、と、どうぞまた感覚を競っていただきたいと思います。新しい写真が、私たちの新しい感性を開拓してくれると思うからです。 |
(柳本尚規) |