銅賞 晩秋の棚田 高橋 徹 
[選評]
黄色く枯れた草とまだ残っている緑。その間に散在している棚田の土の色。遠くの山に残っている紅葉の赤と、日本の秋の季節のうつろいを、優れた色彩感覚で表現しています。色彩による植物や土の質感が、日本の山里の魅力を観る人の心にあらためて思いおこさせます。広がりのある画面構成で、この情景をまとめあげています。左上の田圃を耕している人物や、藁葺の小舎とまっすぐに伸びた杉の木も、画面をよくひきしめます。
(長野重一)



多くの棚田が残る頸城郡は急な山の斜面を削った農耕地であるがゆえに天水田に頼らざるを得ない。雪解けも遅く農作業も大変なことであろうと思う。この日、晩秋の光の中でしろかきをしている農夫がいた。翌年の豊作を願いながら思わずシャッターを切った。
(撮影者)
撮影場所:新潟県松之山町 松之山天水島(JR北越急行ほくほく線まつだい駅→バスで松之山温泉(25分)→タクシーでR405松之山町と津南町の間(峠の手前))