金賞 「山里の秋」 落合 正治 

撮影者住所:宮崎県日向市

[選評]
村はずれの小高い岡の上にある祠。そのかたわらに立つ柿の赤い実を子供たちが採ろうとしています。古い昔の絵本の中に描かれていたような懐かしい情景を鮮やかに現代によみがえらせた作者の豊かな表現力が見事です。完璧なまでに緻密な画面構成と、子供たちの配置の巧みさが、この写真の最大の魅力になっています。とくに、丘の下から駆け登ろうとしている二人の少女の動きが、この静かな画面に動感を与えています。
(長野重一)



宮崎の農村に生きている人々を写し始めて10年、開発という名のもとに、急速に失われてゆく里山の姿と暮らしに、強い愛着を持つ私です。子供の頃に友と童歌を唄いながら遊んだ風景がそこにあり、残していきたい気持ちでシャッターを切りました。
(撮影者)
撮影場所:宮崎県宮崎市