農村環境事業関連

農村環境部

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全11件 01 / 02 / 03

●真幸棚田(えびの市)


基 礎 諸 元 平均勾配 団地面積
1/8.5 0.8 ha



維持・保全・利活用状況
「真幸棚田」はすべて熊本さん夫婦によって営まれている。今後の営農は生産調整等厳しい現状であるが、次世代へ残していけるよう一生懸命営農に取り組んでいる状況である。

推薦項目  伝統文化の維持保全
推薦理由 伝統文化の維持保全:「真幸棚田」は標高786mの滝下山の中腹にあり、熊本藤雄さんと妻のハツ子さんが戦後半世紀をかけて築き上げた石の芸術品である。
終戦直後の昭和25年、兵役から復員してふるさとに帰ってきた熊本さんを待っていたのは極度の食料難だった。休息する暇もなく飢えを凌ぐために開拓が始まった。シイやカシなど雑木林や杉林の国有林の払い下げをうけて原木を切り倒し、その傾斜に近くの山や川から一個一個集めて数十万個にもなる石を積み上げてできた畑にヒエ、アワ、陸稲、甘藷などを栽培した。
しかし、日照りが続いて貴重な食物は水のない畑で実りを待たずに枯れ果てた。近くを谷川が流れているが、水源地は国有林とあって取水の許可がとれない。だが、窮状をみかねた営林署が取水に同意してくれたため、谷川から岩を砕いて水路をつくり、待望の水が畑に注がれて、熊本さんの棚田づくりにはずみがつくこととなった。
棚田の畔道に今も岩をくり抜いた水路が残っている。夏の季節には夜中まで月のあかりで一鍬一鍬耕し、朝も薄暗いうちから裏山にでて石を掘り起こして運び、すわりのいい面 を探しながら石積み作業で棚田が一枚ずつ増えてゆく。
それぞれに顔をほころばせて並んでいる石一個一個に熊本さんの思いと歴史が刻み込まれているのである。

棚 田 の 概 況 枚 数 33 枚 水 源 河川(渓流含む)
事業導入 法面構造 石積
開発起源 現代(昭和21年〜)
営 農 の 状 況 対象農家数 1   戸 10a当収量 550 kg/10a
戸当り営農規模 0.8 ha/戸        33 枚/戸
高付加価値農業 特になし。
特記事項の有無 西内堅地区は、昭和47年に大規模な山津波が発生し、大被害を受けた地区でもある。
そ の後も小規模な山崩れが発生しているが、この「真幸棚田」付近においては棚田で止まっており、大規模には至っていない、棚田は水と土を守り、国土をも守る原点である。
「真幸棚田」は土砂浸食防止などの国土保全の役割も果たしている。



●尾戸の口 (高千穂町)


基 礎 諸 元 平均勾配 団地面積
1/10 16.43 ha



維持・保全・利活用状況

棚田の維持保全については、棚田地域等緊急保全対策事業等で、水田営農の安定化と棚田の保全に努めている。又、山間地での高齢化と若者の農業離れの中、「私たちの故郷は自ら守って行こう」という使命感で自発的に農作業を手助けするグループなども設立され、農業・農家維持に貢献している。


推薦項目  景観
推薦理由 景観:棚田の形状的な美しさ。周辺地域を含んだ農村風景としての美しさ。

棚 田 の 概 況 枚 数 780 枚 水 源 河川、井戸
事業導入 法面構造 土羽
開発起源 近代(明治〜昭和20年)
営 農 の 状 況 対象農家数 39   戸 10a当収量 472 kg/10a
戸当り営農規模 0.42 ha/戸        20 枚/戸
高付加価値農業 特になし。
特記事項の有無 なし。



●栃又(高千穂町)


基 礎 諸 元 平均勾配 団地面積

1/10

24.46 ha



維持・保全・利活用状況
棚田の維持保全については、棚田地域等緊急保全対策事業等で、水田営農の安定化と棚田の保全に努めている。又、山間地での高齢化と若者の農業離れの中、「私たちの故郷は自ら守って行こう」という使命感で自発的に農作業を手助けするグループなども設立され、農業・農家維持に貢献している。

推薦項目  景観
推薦理由 景観:棚田の形状的な美しさ。周辺地域を含んだ農村風景としての美しさ。

棚 田 の 概 況 枚 数 748 枚 水 源 河川
事業導入 法面構造 土羽
開発起源 近代(明治〜昭和20年)
営 農 の 状 況 対象農家数 44   戸 10a当収量 484 kg/10a
戸当り営農規模 0.55 ha/戸        17 枚/戸
高付加価値農業 特になし。
特記事項の有無 なし。



●徳別当(高千穂町)


基 礎 諸 元 平均勾配 団地面積
1/12 25.41 ha



維持・保全・利活用状況
棚田の維持保全については、棚田地域等緊急保全対策事業等で、水田営農の安定化と棚田の保全に努めている。又、山間地での高齢化と若者の農業離れの中、「私たちの故郷は自ら守って行こう」という使命感で自発的に農作業を手助けするグループなども設立され、農業・農家維持に貢献している。

推薦項目  景観
推薦理由 景観:棚田の形状的な美しさ。周辺地域を含んだ農村風景としての美しさ。

棚 田 の 概 況 枚 数 720 枚 水 源 井戸
事業導入 法面構造 土羽
開発起源 現代(昭和21年〜)
営 農 の 状 況 対象農家数 48  戸 10a当収量 424 kg/10a
戸当り営農規模 0.52 ha/戸        15 枚/戸
高付加価値農業 特になし。
特記事項の有無 なし。



●石垣村(日之影町)


基 礎 諸 元 平均勾配 団地面積
1/4 6 ha



維持・保全・利活用状況
(維持)  先祖伝来受け継がれた貴重な棚田は、高齢化が進んでいる現在においても生産調整のための休耕田を除いては水稲の作付けが行われている。

(保全)  棚田を取り巻く道水路も耕作者によって朝夕見回り管理がされ、水路の決壊、土砂崩壊等にたえず気が配られている。20年程前から町内でも先がけて棚田の畦畔を保全する目的でコンクリートによる整備が自費で行われてきた地域でほとんど完了している。

(利活用活動の状況)  日之影川の清流、そそり立つ奇岩怪岩、石積みの棚田、新緑と紅葉等自然の姿を美しくとどめる「石垣の村」としての景観、そしてアユ、やまめ釣りのポイントとしての高い評価は交流活動の拠点としてふさわしいことから、日本旅行社主催のトムソウヤの冒険、小野田自然塾等ソフト事業の一拠点として福岡、熊本等県外の数多くの人々に利用されている。
水稲栽培自然農法として合ガモも放鳥され、ここを訪れる人々の目を楽しませている。またカモの肉はここにある石垣茶屋においてカモ鍋料理として提供され数あるメニュの中でも珍しさもあって人気のメニュとなっている。
また、平成9年ふるさと水と土保全モデル事業で、歴史的遺産として石垣に組み込まれた珍しい水車が復元され精米、製粉に活用されており、通 りがかりの人や訪れた観光客も昔を思い出すなつかしい光景として親しまれていて、水車米の人気も高い。
将来においては、後継者がどうなるかわからない状況の世帯もあるが、町内の動向を見るとき耕作者のいなくなった農地については小作、賃貸で管理が進められ規模拡大がされていることから極端に荒廃した農地が目立つようにはならないと考える。
農林業を営みながらの所得向上策として、地元で生産される農産物を加工した食品開発も盛んで、町内唯一観光客、キャンパーが訪れるエリア内にあることから現状は維持されると思われる。

推薦項目  国土の保全     生態系の保全     景観     伝統・文化の維持保全
推薦理由

国土の保全:洪水防止、土砂侵食防止。

生態系の保全:水性動植物の生活空間。

景観:
ア)急峻な棚田のほとんどが石積みで姿が美しく訪れる人々の写真の背景となっている。

イ)観光エリアの中心に位置し、深い森林と清流、そそり立つ奇岩、新緑と紅葉はみごとな渓谷美をみせてくれる。

伝統・文化の維持保全:宅地、石蔵、防風垣等村全体が石垣で作られ独特の雰囲気をかもしている。一番古い石垣は嘉永から安政年間に築かれたとされ村人全体が石工であったといわれている。小さい石と巨岩を自在に組み合わせた築造物は代々の村人の芸術作品であり文化遺産である。


棚 田 の 概 況 枚 数 178 枚 水 源 河川
事業導入 法面構造 石積
開発起源 近代(明治〜昭和20年)
営 農 の 状 況 対象農家数 7   戸 10a当収量 450 kg/10a
戸当り営農規模 0.58 ha/戸        25 枚/戸
高付加価値農業 特になし。
特記事項の有無 なし。


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