銀賞 代かき 宮島 功 
[選評]
爛漫と咲きほこっている桜の古木がなんとも美しい。その花の下で若い夫婦が棚田の手入れをしている情景は、古い日本画を見るようです。まだ現代の日本にもこんなに美しい光景が残っているのだと、観る人の心を和ませてくれる表現です。桜の花と棚田と働く夫婦だけを、簡潔に、そして大謄に構成したことが成功しています。夫婦二人の画面の中での配置も的確で女性が後ろ姿で写っていることが表現を暗示的なものにしています。
(長野重一)



古代の街道東山道の神坂峠を越えた、園原の駒つなぎ桜は全国的に有名。開花の遅れた昨年は連休明けまで花があり、騒ぎの去った朝、有給を取った夫婦は遅れた代かき作業を始めた。桜を愛でる人々は多いがそこに息づく生活や日本の農業の原風景に目をとめる人は少ない。枚郷を撮る事二十年地道な活動が実を結ぶ出会いとなりました。
(撮影者)
撮影場所:長野県阿智村 園原((東京方面より)中央自動車道−飯田インター 車で20分  (名古屋方面より)中央自動車道−園原インター 車で5分  JR飯田線−飯田駅−タクシーで30分)